誰かにメッセージカードを贈ろう
- 田中 沙耶
- 2019年11月25日
- 読了時間: 2分
ある日、私は神戸のとある公立中学校で美術の授業をしていました。
いつも通り生徒たちは5分前に着席し、いつも通り授業開始のチャイムが鳴りました。
その日の課題は、「誰かに思いを伝えるためのメッセージカードを作ろう」でした。
私は最初の授業で、家族でも、友達でも、先輩でも、だれでもいいからメッセージを伝えたいと思う相手を決めて、その相手のことを思いながら作ろうと生徒に伝えました。
そして何を伝えたいのか明確にすること。
人に渡すものだから丁寧に作るということ。
レタリングの授業の後だったので、レタリングを活用すること。
それ以外は特に何も言わず、制作を始めました。
今日はそれから3、4回目の授業です。
生徒の作っているメッセージカードを見てまわると、渡す相手へのメッセージとともに色画用紙を細かーく切って貼りあわせて作ったお花や、ケーキ、文字が並んでいました。
私が驚いたのは、ただ「ありがとう」ではなく、「ずっと友達でいてくれてありがとう」や、「夢を現実に!」や、「いつもご飯を作ってくれてありがとう」という具体的なメッセージが多かったことです。
そして、渡す相手の好きな食べ物や、アニメなどを工作したり、イラストで描いたりしていてみんなとても工夫していたのです。
そして、美術室はシーンとしていました。
みんな作るのに夢中でしゃべることも忘れてるんだな、というくらい集中できたようです。
いつもは、少しうるさいくらいなんですけど。
私は一人ずつの作品を見てしみじみと、静かに感動していました。
相手のことを素直に考えられる子ばかりだということ、私が考えていた作品を超えてくること。
子どもってすごいな、と。
誰かに何かを伝えたいということは、人類が作品をつくり始めた一番最初の理由かなと思います。
今回はピンポイントで相手が決まってますけど。
「きれいなものを見た」その美しさを誰かに伝えたいということが作品を作る原動力になる。ということにつながってくるなと、思いました。
まだ作品作りは続いているので、もう少し見守っていこうと思います。


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